「あれ?難聴が治っている?」
84歳女性のお話です。
これまでは他院から処方された降圧剤を1種類お飲みになられ、収縮期血圧(上の血圧)が140mmHgぐらいだったようです。この状況でご家族のご意向は「降圧剤を中止したい」とのことでした。私も日頃から過度の降圧は良くないと考えており、中止してみることに異論はありませんでした。(世間では服用してちょうどいいぐらいと判断されるかと思いますが)
それ以外に「便秘、体の痒み、夜間尿4-5回、ふらつき」などの困っておられることがありました。また補聴器をされていますが、それでも聞き取りにくそうにされており、大きな声でお話しする必要がありました。
「便秘、痒み、夜間尿、ふらつき」などに対して漢方薬をお出しして、降圧剤は飲まずに1週間様子を見ていただきました。
まず血圧は当然のことでしょうが160mmHg ぐらいに上昇していました。が、血圧が上がったことにより、少なくとも自覚的な症状が悪くなったことは全くありませんでした。
また、便秘は出過ぎるぐらいになり、失禁したこともあったようで漢方薬の一つを減量しました。痒みとふらつきはほとんど消失し、夜間尿も少しながら回数は減少したようです。
そのような中でご家族から「耳の聞こえが良くなった」というお話がありました。電話口での様子が今までとは違い、はっきりとしてこられたそうです。確かに診察の際にも大きな声を出さなくても十分お話しできました。
難聴がどのような機序で良くなったのかは分かりませんが、1週間で改善したことは驚きです。血圧の関係があるのでしょうか。難聴気味が改善したことで、この方の日常生活の支障が少しでも小さくなったことはとてもよかったと考えます。
