ピアノと漢方薬(埋もれていた才能が開花した?)
9か月前ぐらいから通院されている17歳の男の子のお話です。「起立性調節障害」と2-3年前に診断されたそうです。症状としては「朝起きにくい」などがあり不登校気味でした。一時期西洋薬を処方されるも改善はなかったそうです。
いろいろとお聴きしますと「朝起きられない」以外にも「便通がすっきりしない」「頭痛」「ふらつき」というような症状も伴っていました。そのためにそれらを改善すべく漢方薬を処方し、さらには鍼をしたり、マジックで描いたりして経過観察させていただくようにしていました。
しばらくすると朝も起きられるようになり、便通も整い頭痛も減りました。
そのような中である日、彼は家にあったピアノを弾き始めたそうです。生まれてからこれまで一度もピアノに触れたこともなかったのにです。(ずっとピアノは家にありましたが) ご本人にお聞きしますと「なんとなく弾いてみようかな」と感じたようです。しかし楽譜は読めないので、ユーチューブで「フジコ・ヘミングさんの奇蹟のカンパネラ」の演奏をみて、耳コピというのでしょうか、見様見真似で引き始めたところ、ぐんぐん上達しました。
約半年たった今ではピアノ教室に通うようになり、さらに難しい曲を弾くようになっています。旅行に行かれた際に、屋外に置かれているピアノ(駅ピアノや空港ピアノなどと言われるようなもの)で弾いているところの動画を見せいただいたのですが、びっくりするぐらい上手で、半年前までピアノを触ったことがない人の演奏とはとても思えませんでした。
もって生まれた人並み優れた「音を聞き取る能力」があるのだろうと思います。漢方薬で身体全体がいい方向へ向いて、このような優れた才能を見出すことができたとすれば私にとってうれしい限りです。
今では「将来音楽に携わる仕事ができれば」というようになっています。