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選択肢の多い医療(エビデンスと事実) 

[2025.03.26]

 いろいろな方がいらっしゃいます。いろいろな環境で生活されている方がいらっしゃいます。いろいろな訴えの患者さんがいらっしゃいます。そういう方々が来院されて、「困っていること」に対して私なりに「少しでも良くなっていただけるように」いろいろと考えを巡らせます。

 

 そのときに「いろいろ」と言っても、自分の知識、経験を基にして考えるわけです。もしそれが多ければたくさんの選択肢があり、その中で最善の方法を提案させていただきます。「最善」と一言で言いましても、対象となる方(患者さん)によって変わります。時間を優先するのか、治療法の体への負担を考えるのか、ときにはどれぐらいお金がかかるのかなども併せて考えます。

 

 いずれにしても知らないことは頭にも浮かびませんので提案できません。ひょっとしたらというか、私が提案する処方、手段よりもっと優れているものがあるのかもしれません。もしあるなら、私はそれを知りたいと願っています。ただその道のりは長いです。

 

 国会議員の原口一博さんが書かれた本の中に「選択肢の数だけある知識や情報こそが、安心感を生み、本当に豊かさとなるのはないでしょうか。」とありました。また「人体は複雑なので、わかっているようでわからないことだらけです。エビデンスも大事ですが、エビデンスよりも事実を大事にするということもやらないと、選択肢が広がりません。」ということも書かれていました。

 

 私の経験で「良くなられた」という事実は、たとえそれが一人の患者さんに対してだけだとしても、「エビデンスといわれる仰々しいものにも勝ることがある」ということだと考えます。日頃私が患者さんの診療をさせていただいている中で、「なぜこのような方法で良くなるのか」という理由を明確に説明できないことも多々あります。エビデンスがないということになるのでしょう。が、患者さんの状態が改善されていれば「それで良し」です。事実はあります。

 

 原口さんが書かれた文章に後押しされた気がします。

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