ハイパーソニックエフェクト(耳以外で音を聞く?)
私たちが「音」としてとらえられることのできない音があります。周波数の違いによって、聞こえる音と聞こえない音があるみたいです。聞こえないものを「音」というのでしょうか。「聞こえない音(ハイパーソニック・サウンド)」とは何なのでしょうか。「ハイパーソニック・サウンド」とは、人間の耳に聴こえる周波数の上限を超えて複雑に変化する超高周波を含む音のことをいうそうです。
私にはわからないのですが、アナログレコードから出る音とCDから出る音に対する感じ方には違いがあるらしいです。CDからは人間の聞こえる音だけしか出ていませんが、アナログレコードからは聞こえる音以外に、音として聞こえない周波数のもの(音?)も出ているようで、そのためか「レコードの方がいい」と言われる方がいらっしゃるわけです。
自然の中では森の中で聞こえる、鳥のさえずりや木々の葉っぱがすれあう音、虫の鳴き声、小川のせせらぎ、虫の音などにはハイパーソニック・サウンドが多く含まれ、それらが含まれることにより森の中に入ると「人間の幸福感が増す」ということが、脳波を調べることによって確かめられています。森林浴を勧められる理由がこのようなことがあるからなのでしょうか。一方で都市環境音にはハイパーソニック・サウンドはほとんど含まれていません。
楽器でも「ピアノ」からはあまりハイパーソニック・サウンドは出ていませんが、インドネシアなどの伝統楽器である「ガムラン」といわれるものは、たくさんの聞こえない音が出ているそうです。同様に日本の琵琶、尺八の音にも多く含まれているらしいです。
ところが、ハイパーソニック・サウンドを含まれる音をヘッドフォンをして聞いても、脳波に変化はなく、そのことからハイパーソニック・サウンドは耳で聞いているのではなく、体のどこかで聞いている、感じているということになります。現在のところ、体のどこにどのようなものがあるのかわかっていません。この前に「味を腸でも感じる」ということをお話しさせていただきましたが、全身にいろいろな感覚を司る部分、センサーがあるのでしょう。
われわれはとかく「目に見えるもの」「耳で聞こえるもの」に関心が集まりがちかもしれませんが、「見えないもの、聞こえないもの」に対しても身体は反応し影響を受けているということは大事なことです。きっとそのことを生かせるような治療手段もあるでしょうから、そういう取り組みも今後していければと思います。