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「疾患に対する院長の独り言」

月経困難症(生理痛)のつらい方にはどうするのが良いのでしょうか?(2021.07.13更新)

 ときどき、若い女性で月経困難症(いわゆる生理痛)を訴えられる患者さんに出会います。その原因はいろいろとある思いますが、西洋医学的にはまずいろいろな検査をして、子宮筋腫や子宮内膜症などがないことを確認します。それらが痛みの原因だと考えられるならば、それに対して手術をすることもあります。検査をしてはっきりとした異常が見出せない場合は、鎮痛剤で月経時の痛みを和らげ、月経が終わると痛みがなくなるので投薬は不要となり、次の月経時にはまた同じことを繰り返しされている方もおられます。残念ながら手術を受けられても、痛みが変わらない方もおられます。

 

 このような対処が本当にいいのでしょうか。「痛むのだから痛み止めを飲んで痛む期間をしのいで下さい」では寂しい気がします。本来なら、なぜ痛むのかを追求して、できることならその原因に対して何らかの方法を講じて、痛みから解放されるようにする努力するのが医療者の務めだと思っています。

 

 それでは、手術するような病気も見当たらないような方に対して、私はどのようにするのでしょうか。多くの場合は漢方薬をお出しします。たくさんの漢方薬がありますが、漢方薬は身体を温める作用があるものと冷やす作用のあるものに大きく二つに分けることができます。もし、身体の冷えを強く感じるときに生理痛が強いならば、温める作用のある漢方薬を選択します。逆もしかりです。こういう発想は西洋医学にはありません。それ以外にもいろいろと考えあわせお薬を選択しなくてはならないこともあります。最近では色彩治療として、体にあるツボに小さなシールを貼ったりすることもあり、効果を示すケースにも出会います。

 

 「生理痛が強ければ、ホルモン剤などを飲んで生理を止めてしまおう」という、西洋医学で究極の治療といってもいいかもしれませんが、その発想には賛成しかねます。なぜなら、人類に長い歴史にそむくことになるからです。それなりの年齢の女性には毎月月経が起こるのが普通であり、月経を無理に止めることにより、新たな問題が出てくるかもしれません。また妊娠を希望される方には、実施できる治療ではありません。そのような中で以前、ホルモン剤を飲むことを勧められた方に漢方薬を処方し痛みを軽減することができ、その後赤ちゃんを授かられた方もいらっしゃいました。

 

 全体を診てバランスをとりながら治療し、できるだけ自然に逆らうことなく、本来の姿の普通のお身体になっていただけるようにすることがとても大切だと思います。

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