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尿管結石の痛みの解消法

[2022.04.04]

 「尿管結石」という病気をご存じでしょうか。

 

 腎臓でできた石が、何かの拍子で尿管という管(腎臓と膀胱をつなぐ管)に落ちた石を「尿管結石」と言います。ですから正確にいうと「尿管結石」があっても全く症状のない方もおられます。一方たとえ大きさが2mmぐらいの小さな石でも尿管に詰まってしまうと、あまりの激痛でのたうち回られる方もあります。痛みが起こったときに石の存在が初めて問題になるので、正確には「尿管結石発作」というべきかもしれません。もし尿管に石が落ちてもひっかかることなく膀胱まで石が落ちてしまうと、排尿とともに体外へ排出されることがほとんどです。そのような場合は全く症状を伴わない場合もありますし、石が出るときに少し痛んだり、残尿感を感じる人もあります。

                    (この図は、まえばる泌尿器科クリニックのホームページからお借りしました)

 

 「尿管結石発作」を起こした方では、痛みを伴い真っ赤なおしっこが出たり、頻尿になったりします。見た目には赤くないおしっこでも検査をすると血液の混入が認められる場合もあります。また背中をたたくと、石がひっかかっている側だけ、痛みや不快感を訴える場合もあります。

 

 

 尿管結石発作で痛みが強いときには、ロキソプロフェンなどの鎮痛薬や、痛み止めの座薬が処方されることが多いと思います。痛みがそれで軽減して、その後石がうまく体外へ排石されればいいのですが、万が一排石されないときには、対外衝撃波破砕装置というもので、石を細かく砕き体外へ出そうとします。それでもうまくいかない場合には手術が必要になることもあります。それ以外の方法もあるかもしれませんが、ここでは省略します。

 

 今回ご紹介するのは、尿管結石発作に「芍薬甘草湯」という漢方薬が劇的に効果を示すことがあるということです。「芍薬甘草湯」はこむら返りに対するお薬としてはよく知られています。テレビのCMもされています。確かに西洋薬でこむら返りに対してこれ以上のお薬はないと思います。このお薬が尿管結石発作に効果があるのです。

 

 具体的には痛んだ場合に、できればお湯に溶かして1袋飲んで、効果なければすぐに追加で飲み計3袋までは問題なく飲めると思います。「飲んでいるときから痛みが軽減してきた」と言われる患者さんもおられます。

 

 

 印象深かった例をお示しします。下腹部の激痛を訴える患者さんが来院され、血尿があり、腰をたたくと片方だけ痛みを感じられましたので「尿管結石発作」であるとすぐに診断できましたが、大変痛そうでしたので、「腎臓にかなり負担がかかっているのではないか」と考え超音波検査(エコー検査)で確かめようとしました。しかし、その前にこの痛みを軽くして差し上げたいのでまず「芍薬甘草湯」を飲んでいただきました。飲み終わられ超音波検査をするために、ほんの数メートル歩いて検査する場所へ移動していただいたのですが、普通に歩かれたのです。あれほど痛そうにされていたのに・・・ 芍薬甘草湯のあまりの効果にびっくりした次第です。

 

 

 超音波検査で調べると、多少腎臓には負担がかかっているようでしたが急を要するような状態ではなかったために帰宅していただきました。

 

 その夜、その患者さんからまた「午前中のように痛んできて、芍薬甘草湯を飲んだのですがどうすればよいですか」と少しひきつった感じの声で問い合わせの電話がかかってきました。困りましたが「痛み止めの座薬をお出ししますので、ご家族に取りに来ていただいて下さい」と申し上げました。ご家族はご近所でしたのですぐに取りに来られました。

 

 

 後日、「あの時はその後どうなりましたか」とお尋ねすると、「痛いんです」と電話をされているときからご自身で「あれ?少し痛みがましになってきている」と感じられていたそうで、ご家族が座薬を持って帰られたときにはすっかり痛みは消失していたそうです。

 

 当院には、これまでに10回以上尿管結石発作に襲われ、4回ぐらい対外衝撃波治療を受けられた方がおられますが、その方が「痛いときには芍薬甘草湯が一番効く」といわれますので、効果があることは間違いないと思います。ただし芍薬甘草湯は痛みを軽減するためのお薬であって、石を体外へ排出させたり、石を溶かしたりするお薬ではありませんので間違わないようにお願いします。(痛みが軽減して自然と体外へ石が出ていくこともありますが) また芍薬甘草湯を短期間にたくさん飲んだり、長期にわたって飲み続けるとむくんだりするような副作用がでることもありますのでご注意ください。

 

 

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