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帯状疱疹(帯状ヘルペス)発症時の治療、その後の痛み(ヘルペス後神経痛)に対する治療について

[2021.06.29]

 帯状疱疹(帯状ヘルペス)を発症されて来院される方がいらっしゃいます。

 

 ピリピリ感やチクチク痛むなどの症状とともに、発疹が出現するのが典型的で、体の半分(右なら右、左なら左)だけに出るとされています。ときには痛みが先行して認められ、遅れて発疹が出てくることもあり、その時点で痛みの原因がヘルペスと判明することもあります。(1-2週間遅れることもあります)

 

 発症早期にはヘルペスウイルスに対する飲み薬や塗り薬を使用し治療されることが一般的かと思います。

 

 私はこの時期に、上記の治療以外に発疹の出ている部位に鍼を刺して出血させる治療法を、患者さんが嫌がられない限り行います。この方法を「刺絡療法」といいます。この方法は、今から7-8年前に西田晧一先生がお書きになられた「お血を治す」という本を読んだことがきっかけでした。もっともこの療法は2000年以上前からあります。その本で教えていただいたことは数多くあり、日ごろの診療に活用させていただきその効果に驚く機会も多いです。これは、鍼を刺すわけですから、少しは痛みを伴いますが極めて安全な方法だと考えています。なぜなら、刺す鍼の深さは1㎜程度で、出血量もさほど多くなく(多く場合の場合5cc以下)、さらには体内に何か薬物を注入することもないからです。

 

 この療法を知ってから初めての帯状疱疹の患者さんに出会た時のことです。「先日、ある本を読んで『刺絡療法』というのが帯状疱疹に対してすごく効果があるということを知りました。しかし私はこれまで、帯状疱疹の方にさせていただいたことがありません。どうされますか?」とお尋ねしたところ、その方は「やって欲しい」とおっしゃっていただけましたので施行しました。私の気持ちとしては、上にも書きましたように「失敗することはまずないし、危険性もほとんどない」ので安心して行うことができました。

 

 ところが、翌日その患者さんがまだお薬もあるはずなのに来院されたのです。私は、「刺絡療法をしたためによりひどくなった」と怒られると思いびっくりしました。ところが幸いに患者さんは「とても良くなったので、今日もして欲しい」と言われたのでした。これには安心するとともに、この療法のすばらしさを実際に教えていただき、次からの患者さんには「必ずこういう方法があること」をお伝えしなくてはいけないと思った次第です。

 

 これまで数多くの帯状疱疹の患者さんに実施してきましたが、大半の例で回復が早く、よく問題になるヘルペス後神経痛といわれるものに悩まされる方は皆無というぐらいになりました。

 

 この療法のすごいところはこれだけではありません。ヘルペスになって数年たっても痛みが残っている方にも効果があることです。その場合は、皮膚を見ただけではまったく普通に見える場合も多いですが、痛みや違和感を訴える場所に対して刺絡を行います。1度では無理でも複数回することで、徐々にでも痛み、違和感が軽減、消失する例も経験しています。

 

 先日は、ヘルペスを発症して、皮疹が消えて1か月ぐらいたった時期にまだ痛みが残ると言われる方が来られました。痛みを軽減するようなお薬を4-5種類飲まれていましたが、「痛みは変わらない」とのことです。そこで、刺絡をさせていただいたところ、「翌日には全く痛みがなくなった」と喜んでいただきました。(漢方薬も処方しましたが)

 

 ヘルペス後神経痛にお悩みの方には、一度ご考慮いただければよい方法と思います。

 

 この「刺絡療法」をお教えいただいた西田晧一先生にお礼申し上げます。

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