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新しいインフルエンザ薬について

[2019.01.31]

 毎年のことながら、インフルエンザが流行しています。そのような中で、昨年ゾフルーザという新しいインフルエンザに効果があるというお薬が発売されました。このお薬は1回飲むだけで効果があるとされていることもあり、今シーズンの流行で、そのお薬をたくさんの方が飲まれている実情があります。そのことについて私の考えをお話したいと思います。

 まず、インフルエンザは基本何もしなくても、長ければ5日ぐらい熱が続くこともありますが治ります。残念ながら命に関わる方が少数毎年いらっしゃることも事実ですが。では、なぜインフルエンザのお薬をお出しするのでしょうか。早く治るため、症状を軽く済ませるためなどが処方される理由かと思います。

 ここで、ゾフルーザやタミフルなど以前からあるお薬の作用機序についてご説明します。これらのお薬は、決してインフルエンザビールスを攻撃してやっつけるお薬ではありません。身体に入ってきて暴れているビールスを今以上に増えないようにするお薬で、その結果病気が早く治るであろうという理屈です。何もしなくても、時間が経過すれば自然とビールスはそれ以上増えなくなります。増え続けるのは、身体に入ってから48時間ぐらいと考えられており、ですからそれらのお薬は48時間以内に飲まなければ意味がないといわれるのです。

 ゾフルーザというお薬が発売されるに当たって、少なからずの治験(発売前に少数の方に飲んでいただき、効果、副作用を調べること)はされていますが、その数は極めて少ないのが実情です。ですから、たくさんの患者さんがお飲みになられることにより思わぬ副作用が出てくる可能性は否定できません。もし出てきた場合、少なくとも私が処方した結果、大変な目に合われた患者さんがいらっしゃった場合、とても申し訳なく思いますし、悲しいことです。そうなることがとても怖いのです。自分が飲むとしても、「本当に大丈夫かな」と思いながら、びくびくしながら飲むのは嫌です。1回飲むだけでOKということは、もし副作用が出た場合、お薬が身体からなかなか抜けないということになると思いますので、副作用も長く残る可能性も高くなるかもしれません。

 一方で、しんどい時間が長くなるのは困ります。ですから私はその時間を短くするために、できれば皆さまに漢方薬をお出ししたいと思っています。うまくいけば24時間以内に熱が下がることもしばしば経験します。残念ながらうまくいかない場合もありますが、個人的経験では、漢方薬をお飲みいただければ抗インフルエンザ薬をお出ししても、しなくてもあまり変わらないという感じです。ところが、抗インフルエンザ薬をお出しした場合、充分な免疫がつかなくて、次にまたインフルエンザにかかりやすくなるともいわれています。

 そんな私でも抗インフルエンザ薬をお出しすることもあります。受験生であるとか、もともと重大なご病気をお持ちだとか、高齢であるとか、ご家族にうつしてはいけない方があるという場合などには、躊躇なくお出しします。そのときでもタミフルなどこれまでに使われていたお薬であって、ゾフルーザではありません。

 最後に、ゾフルーザは1錠で5000円弱するという極めて高価なお薬であることをお伝えします。

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