漢方薬をはじめとする東洋医学的治療
西洋医学的なお薬ではまったくと言っていいぐらい対処できない病態はたくさんあります。振り返って考えて、私が漢方薬をお出しすることのなかった診療スタイルの時代に、そのような患者さんに出会った場合には「どのようにしていたのか」と考えるのですが思い出せないのです。訴えを無視していたのでしょうか、「どうしようもない」とお答えしていたのでしょうか。それならば本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
しかし少なくとも今の私は違います。東洋医学的な考え、手法を用いること(漢方薬をお出しする、鍼を打つなど)により、改善していただく可能性を大きくすることができるようになりました。漢方薬をお出しする過程においても、少しずつですが理論的に考えることができるようになっています。
また鍼治療の効果にも驚いています。その中でよく考えてみると鍼治療というのは、投薬治療(西洋薬、漢方薬ともに)とは異なり、体の中に何かを投与するのではないという事実です。投与することがない限り、副作用というものが発生することはなく、また私の実践している鍼治療は、手足に長くても3mmの長さの鍼を打つ、もしくは頭皮に打つだけで、肉体に大きなダメージを与えたり、内臓を傷つけたりすることはありません。もちろん使い捨ての鍼ですので病気がうつるという可能性はゼロです。まだまだ未熟者ですが少しでもお役に立てればと思っています。