「やる気が出ない」はうつ病?(「うつ病」と「気」)
時々「やる気が出ない」「何をするのもしんどい」というような訴えで来院される方があります。そのような方を診察させていただくと、「気」の量が少なくかつ「気」の巡りが悪い、その中でも特に「気」の量が少ない方が多い印象があります。
この状態を私は「ガソリンの入っていない車と同じ」と考えています。俗にいう「ガス欠」です。そのような車は当然のことながらアクセルをいくら踏んでも前へは進めません。車を走らせようとする意思はあるので、一生懸命アクセルを踏むのですが車は動かない。そのことで気持ちは焦るという悪循環に陥ってしまいます。
元気な状態の人間は「気」が十分量あり、それがスムーズに全身を巡っていると漢方医学的には考えられ、日常生活を普通に送ることができます。言い換えると、普通の生活を送るには十分な「気」の量と、それがスムースに流れる環境が必要です。
一方「こころの情報サイト」から引用させていただくと
「うつ病」とは
一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいなどの身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合、うつ病の可能性があります。
と書かれています。
ですから「何もする気が出ない」というような状況になられたときに「自分はうつ病ではないか」と考えられて来院される方がときどきいらっしゃいますが、気の量が少ないと判断した場合私は「『うつ病』ではありません。『ガス欠』ですよ。」と申し上げます。ひょっとしたら「うつ病」と診断されている方の多くとは申しませんが、何割かは単なる「ガス欠」なのかもしれません。もしそうなら抗うつ剤などを服用する前に、「気」を増やすようにして差し上げなければならないと思います。
それができるのが漢方薬です。