顔面神経麻痺と顔面の帯状疱疹
たまたま、右顔面神経麻痺(正確には末梢性右顔面神経麻痺)と右顔面帯状疱疹をほぼ同時に発症された患者さんが来院されました。
顔面神経麻痺の治療には早期にステロイド剤を投与することが良く行われます。一方帯状疱疹にはステロイド剤の投与はあまり積極的には行われません。そのためにこの方は顔面神経麻痺に対しては「自然経過をみる」との方針で積極的にな治療は受けられておらず、帯状疱疹に対しては抗ウイルス剤を処方され飲んでおられましたが、痛みは残っている状態でした。
何とか早く状況を改善させてあげればと考えました。
そのため帯状疱疹に対しては、湿疹が出ている部位を中心に日にちを開けて複数回刺絡をさせていただきました。幸い耳の中まで湿疹が出ていませんでしたので、出ている湿疹に対しては全箇所に刺絡をすることができました。また湿疹の出ていない部位にも違和感があったために、その部位に対しても刺絡を行いました。回数を重ねていくうちに痛みは徐々に軽減し、最終的には痛みを含め違和感なども全くなくなりました。
顔面神経麻痺に対しては色彩療法の中の経絡治療に基づき、2か所のツボにシールを貼るとともに、顔面に対して反応があると判断した色のライトを当てました。そうしますと「口角の下がった感じ」「眼の閉じにくさ」なども改善していき日常生活の不自由も軽減していきました。
経過としてはこのようなことを最初の2週間ぐらいで4-5回行い、その後は1週間に1回ぐらいで様子を診させていただきましたが、2か月後にはほとんど症状も消失しました。
ステロイド剤を使用するがなくても顔面神経麻痺の後遺症も残らず、また帯状疱疹後の神経痛もなく良かったです。