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アトピー性皮膚炎、帯状疱疹などの皮膚疾患に対しての刺絡療法について

[2019.02.26]

 西田皓一先生が書かれた「お血を治す」という本を以前に読み、その中で紹介されている刺絡療法という方法を日常診療に多く取り入れています。糖尿病の方がご自身で血糖値を測る際に用いる道具を使いますので、極めて短時間で安全に施行することができます。

 

 この治療法は特に皮膚疾患に効果が高いように思います。アトピー性皮膚炎で痒みの強い場合や帯状疱疹の痛みを軽減したり、回復を早めたりします。

 

 そしてなにより、この方法はお薬を体内に投与するわけでなく、その方の血液を3ccから5ccぐらいのわずかの量を体外へ出すだけですので、副作用的なものは皆無に近いと思います。針を刺す深さも1mm程度ですので、身体の奥深くにある大事なところを誤って刺すということもありません。もっとも、針で皮膚に小さな穴をあけるので(ときには20箇所以上)痛みは少し伴います。

 

 過去にアトピー傾向のある保育園児に施行して、その次の診療時に施行せずに診療を終わろうとしたとき、その幼児から「今日はあれをしないのか」催促されたのはびっくりしました。彼にとって、刺絡療法の効果をとても実感できていたためにそのような発言になったのだと思っています。

 

 アトピー性皮膚炎だけでなく、帯状疱疹の水疱を伴う皮疹が出ている時期に、刺絡を行うと皮疹の消退や痛みの消失が極めて早いことも経験します。また、皮疹が消失しているにもかかわらず頑固な痛みが残っている場合にでも、刺絡をすると長く残っていた痛みが軽減することもあります。西洋医学的にはむずかしい状態と考えられている帯状疱疹後神経痛というものが軽くなるのです。お薬を飲むことなくです。ここがすばらしいことだと思います。

 

 このような有益な方法をお教えいただいた西田先生にはとても感謝しています。

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