エアコンの室温設定が19℃でないと眠れない方について
以前、「夏場にエアコンの設定温度が19℃でないと眠れない」という方が来院されました。この方自身は19℃で眠れるので何も困ってはいらっしゃいませんでしたが、「ご家族が寒くて眠れず困っておられるので何とかならないか」というのが来院されたきっかけです。
お見受けしたところ、顔色などからは決して寒がりという感じではありませんでした。一方10年前ぐらいから体の中はとても熱く感じるも、体表面は冷たく感じると言われました。
漢方医学的に診察させていただき脈を触らせていただくと元気がない脈の打ち方で、さらに舌を診せていただいたところとても身体に熱がこもっているような感じではなく、寒々とした印象でした。
「19℃の設定でしか眠られない」というお話をお聞きするととても暑がりの方と考えてしまいがちです。しかしこの方の本質は、どちらかと言えば冷えているお身体でした。そのためにお身体を温める方向になるような漢方薬をお出ししました。そうしますと、その後は一般的な室温設定で眠れるようになられ、ご家族も眠りやすくなったそうです。
コロナが流行して体温を測る機会が増えている最近ですが、この方は漢方薬を飲み出す前は体温が36℃を超えることがなかったのが、最近では絶えず36℃を超えるようになったというお話を聞いて「やっぱり冷えておられたのだあ」と思った次第です。また、毎年春先の花粉症の症状がきつかったようですが、これも併せて改善されたました。このことから「冷え」が花粉症の原因になっていたと考えてもよさそうです。
追記(2023.3.11)
昨日、約1年ぶりに来院されました。「花粉症」の症状が最近つらいとのことでした。お聴きしますと昨夏は25℃のエアコン温度設定で眠れたそうです。ところが、漢方をお飲みになられていないためか今年は花粉症がつらくなっているそうです。昨年は花粉症の症状はほとんどなかったのが、残念ながらまた体質、体調が傾いているのでしょうか。昨年にもっと体調を戻して差し上げることができれば今年の花粉症もあまり気にならなかったかもしれません。まだまだ私の力不足です。