犬に噛まれた
動物病院の看護師さんが犬に手を噛まれたために来院されました。
手には噛まれた跡がありましたが、出血はすでに止まっていました。そのために細菌感染を防ぐために抗生物質を処方しました。ここまではよくあるお話だと思います。「ほかに何かありませんか」とお尋ねすると、「噛まれた方の右手首から脇にかけての重だるい感じがある」と訴えられます。
それも「何とかして差し上げられれば」と考えました。噛まれた影響でこのような症状が出ているのだとは思いますが、なぜそのようなことが起こるのでしょうか。「犬に噛まれた部位にも気が巡っており、その巡りが噛まれたことによりおかしくなり、右上肢の違和感というか重だるい感じが出現したのだ」と私は考えました。そのようなときに漢方薬をお出しして対応させていただくこともありますが、今回はそうしませんでした。なぜなら彼女は妊娠8か月の妊婦さんだからです。極力漢方薬とはいえ母体に余計なものを入れたくはなかったからです。
それで何をしたかといいますと、これまでにも何回かご紹介した、「マジックで数字を掻く」という方法です。違和感のあるところを探りますと、「青色」と「3」に反応がありました。一方手首から脇の付近まで広い範囲に重だるい感じがありましたが、その部分がかなり広いし、目に付きやすいところです。ですからその部に数字をかくことはせず、左足の人差し指(右上肢に対応していると考えられています)に描いたところ、右腕の違和感が軽くなったそうです。
妊婦さんのお身体を少しでも守ることができて良かったです。