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陰陽五行説(特に五行説について)

[2017.11.22]

 中医学の基本的な考え方は「陰陽五行説」に基づいています。「陰陽五行説」と言いましても「陰陽説」と「五行説」の二つに分かれます。今回は「五行説」についてお話します。

 五行説の基本になるのは、五臓六腑といわれる内臓のようなものが体の中にあり、それらが互いに関連して身体は維持されているという考えで、西洋医学のように心臓は心臓、肝臓は肝臓というようにばらばらに考えることはしません。互いに助け合い、ときには抑えてバランスをとっているのです。

 今回は五臓六腑の中の五臓についてお話します。 

 五臓には「肝、心、脾、肺、腎」があります。これらは西洋医学でいう肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓とは少し異なり、その役目も似ている点がある反面、違う役目もになっているとされます。詳しい働きはまたの機会にお話しするとして、五行説で私が感動した考え方をご紹介します。肝、心、脾、肺、腎の五臓は自然界にあるそれぞれ木(肝)、火(心)、土(脾)、金(肺)、水(腎)に対応するとされます。そしてそれらは互いに関連性をもって生態が維持されているとされています。

 ここからがすごいところです。上記の図をご覧下さい。「木」が燃えると「火」が起こり、その後には燃えカスがありそれは「土」になります。さらに「土」の中には「金」などの鉱物が産生され、鉱脈には「水」が出ます。そして「水」のあるところには「木」が育ちます。まるで自然現象と同じことが生態の中で起きているということです。

 さらにすごいことがあります。「木」が生えることにより「土」砂崩れは起こりにくくなり、「土」が積みあがると「水」が溢れることを防ぎます。さらに当たり前ですが、「水」は「火」を消しますし、「火」は「金」属を溶かします。さらには「金」属は斧のように形を変えて「木」を切り倒します。

 このようにそれぞれの臓はときには助け合い、ときには制御しあって生態を維持していると考えた古代の人の発想には脱帽です。

 この理論でもってすれば、失恋したときに食欲が落ちることも簡単に説明できます。(西洋医学では説明ができませんが) このことが私が東洋医学の考えを取り入れようと思った一つのきっかけでした。

 

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