手が震えて文字が書きにくくなった例(老人性振戦・書痙)
高齢になると手が震えて文字が書きにくくなられる方がいらっしゃいます。パーキンソン病などでもそのような状態になられる方もありますが、そのような特定の病気でなく震えるときには「老人性振戦」と診断されることが多いです。
その治療として、いくつかの薬剤が使われることもあり、その結果震えが改善する場合もありますが、副作用等で服用がむずかしいときもあります。
先日、何となく手の力が入りにくく、震えて文字が書きにくいといわれる方に出会いました。そのため「本」という字を書いていただくと、それぞれの線が波打っていました。(図参照)
その方には薬剤を投与するのではなく、YNSA(宮崎の山元先生が考案)という頭に鍼をうつ(頭皮鍼)方法を選択してやってみました。そうすると、打った直後から震えはましになり、30分鍼を刺したままで経過観察し、鍼を抜いてもう一度同じ文字を書いていただきました。そうしますと、明らかに波打っていた文字がほとんど波打たずにきれいに書いていただくことができました。(図参照)
これがどの程度の期間、効果が持続するのか、また手が震えてくるのかは今後観察が必要ですが、短い期間かもしれませんが効果はありそうです。
(縦の線は初めから比較的波打つことなく書くことができるのが不思議です)
追記
前回、頭に鍼を打ってからそのままで2週間経過しました。結果まだこのように比較的きれいに字が書ける状態を保っておられました。
追記(2023.11.2)
書痙という病気があります。
手の治療専門サイト-田中利和 公式サイト-から引用させていただきますと
字を書こうとする時、または字を書いている途中に、前腕の緊張が強くなり、手が振え、前腕の痛みが発生し、字を書くことが困難となる書字障害のことを
書痙と言います。
とかかれています。書痙と診断された患者さんが来院されました。そのためにやはり頭皮に鍼を打たしていただくことを何回か続けさせていただくと、以前とほぼ同じように字を書くことができるようになられました。