気管支喘息(咳喘息)などの咳についての治療(漢方薬の必要性、可能性)
先日、日本内科学会雑誌の「気管支喘息」に関する記事を読みました。その中には、「治療として吸入ステロイド剤を含む、いくつかの吸入薬で改善している方が多くなった」と書かれていました。一方で、「35%ぐらいの患者さんがまだまだ満足できる状態にはなっていない」との記載がありました。
その記事には西洋薬での治療法についてしか書かれていませんでした。西洋医学的には「気管支喘息は、気道(気管など)の炎症で起こっている」といわれています。ですから、問題を起こしている気道に吸入薬を使って治療するということは理にかなっているのかとは思いますが、現実35%の人は不満足な治療結果となっているのです。もっとも、患者さんがきっちりと吸入されていないときもあるかもしれませんが。
私も以前はよくのどがむずむずして、急に咳き込むとということがあり、ステロイド剤の吸入を長期にわたって使っていたこともありました。一生懸命吸入しているのに「なぜなかなか咳が止まらないのだろう」と悩んでいた時期もありました。
その後漢方薬のことを勉強しているうちに(もう10年以上前になりますが)、「咳は気のめぐりがスムーズでなく、つっかかると出る」ということを知りました。確かに自分自身のことを振り返っても「突然咳き込みだす」、「喉がイガイガしてきて咳が止まらない」というつらさを経験していましたので、この理論は腑に落ちました。気のめぐりを改善させることができるのは漢方薬だと思います。そのため咳が止まりにくい、イガイガするときには漢方薬を服用するようにし、以前のように「咳が長引く」ということはなくなるとともに、ステロイド薬の吸入も全くすることがなくなりました。
ですから、もし咳で困っておられる方がいらっしゃいましたら、漢方薬をお使いになられることもお考えいただければと思います。もっとも「気管支喘息だからこの漢方薬」と決められるものではなく、いろいろと考えて処方を選択しなくてはなりませんが。また、「肺がんなどの病気が隠れていないか」は忘れず調べられるようお願いいたします。