これは私の話です。先日診療中に「あれ、歯のかみ合わせがおかしくなった？左の方が早く噛みしめる」と感じ出しました。その後強く噛みしめると左上の歯茎に痛みを感じるようになりました。噛みしめなければ痛みもなく何ともないのですが。

 

　帰宅後夕食は豚の生姜焼きでしたが、豚肉を左の方では強くかむことができず、右の方でだけ噛んで食べて眠りました。

 

　翌朝、噛んだ感じに変化はありませんでしたが、何もしなくても左上の歯茎に痛みを感じるようになり、さらに左頬にも違和感が出現しすこしその部が腫れてきました。すぐに歯医者さんには行けず、でもこのままでは痛いし、うまく噛めませんので何とかしなくてはと思い「井穴刺絡」をしました。「井穴刺絡」とは手足の指の爪の付け根の部分を針で突いて出血させる手法です。さらに「立効散」という漢方薬も飲みました。その翌日も同じことを行い漢方薬も飲みました。（痛み止めは飲んでいません）

 

　そうしますと、徐々に歯茎の違和感も消失し、左の方が早く噛みしめるということもなくなり、歯医者さんの予約がとれた日（おかしくなった２日後）には症状は全くなくなっていました。しかし「この機会に歯科検診を受けるのもいいか」と思い受診しました。レントゲン写真をとったり、歯を検診していただきましたが、幸い「歯や歯茎には大きな異常はない」とのことでした。

 

　なぜ噛み合わせがおかしくなったのでしょうか。私の考えでは、歯茎にも気の巡り、血の巡りというものがあり、それらに異常が出ると私が感じたような症状が出るのだと思います。これまでにも患者さんで「歯が浮く、歯茎が痛む、おかしい」とおっしゃる患者さんに対して、上記の井穴刺絡をさせていただいたり、歯茎の部分に対して気の巡りをよくしようとする手法（遠絡療法）を施行させていただいた結果、改善された経験が複数例あったので間違いないのだと考えています。歯医者さんのお話で、私と同じような症状の患者さんが「歯が伸びた」と訴えられる方がいるとのお話を伺いました。確かに普段より噛みあわせがおかしくなり、片方だけが早く噛めるというのを「歯が伸びた」と感じてしまうのかもしれません。

 

　顎関節の調子が悪くなる（顎関節症）と同じように左右で噛みあわせがおかしくなるとも歯医者さんに教えていただきました。

 

　上記のような症状があり、歯医者さんで「歯や歯茎に異常はない」と言われている方のご参考になれば幸いです。