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泣き叫ぶ幼児(むずむず脚症候群・レストレスレッグス症候群)

[2023.03.17]

 3歳の女の子のお話です。

 

 3か月前頃から、とくにきっかけとなるようなことはなく突然、家の中、外関係なく泣き叫ぶようになったとのことです。お母さんの心労はとても大きかったと思います。この子は以前夜泣きがひどく、その際に漢方薬で改善されたことがあったため再び来院されたのでした。

 

 今回の来院当初は待合室でも大きな声を出したり、落ち着かない様子でした。当初は1日に6-7回泣き叫ぶことがあり、長いと2時間ぐらい、短いと10分ぐらい続くとのことでした。泣き叫ぶときには「足が痛い、足が動く」という訴えをしていることが多かったようです。一方で便通は2-3日に1回で、コロコロのうんちでした。

 

 便も硬かったため「小建中湯」「甘麦大棗湯」を以前と同じ量でお出ししました。体が大きくなっていますが同じ量にしたのは、効果がでなくてもとりあえず飲むことを嫌がらない状況を作り出したかったからです。

 

 そうしますと、お薬は問題なく飲んでくれ、この量でも泣き叫びも少し減り、精神的にも少し落ち着いたようになったそうです。しかしまだ完全に泣き叫びがなくなったわけではありませんでしたので、漢方薬の量を増やしましたが幸い嫌がらずに飲んでくれました。結果、泣き叫ぶこともなく情緒もとても落ち着き、母子ともに安定した日常を過ごせるようになりました。

 

 少し話は変わりますが、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)と言われる病気があります。

 

Medical Noteから引用させていただきますと

 レストレスレッグス症候群とは、下肢(脚)を中心にむずむずする、痛い、かゆい、皮膚に虫がはうような感じがするなどの不快な感覚が生じ、下肢を動かさずにはいられない衝動を伴う病気を指します。こうした不快感を伴う症状は、夕方から夜間の安静時に生じることが多く入眠困難につながる場合もありますが、下肢を動かすことで症状が軽減します。この病気は、むずむず脚症候群や下肢静止不能症候群とも呼ばれます。

 

 上記のようにこの子は、泣き叫ぶときに「足が痛い、足が動く」と言っていたそうですが、子供なので異常な感覚は「痛い」という表現になってしまうこともあるかと想像します。ひょっとしたらこの子も「むずむず脚症候群」といってもよいのかもしれません。一般的には「神経」に作用するようなお薬を処方されることがあるようですが、特に小児や若い世代がこのような状況にあるならばそのようなお薬ではなく漢方薬を試してみるのもいいかもしれません。

 

 本日の診察時にも穏やかで、「お薬飲みます」と自らかわいい声で言ってくれました。

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