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痛いのはここだけど、原因はそこじゃない、そこだけじゃない?

[2022.11.08]

 日常診療で「最近何をしたということもなくここが痛いんですが」とか「捻挫して足首が痛いんですが」などという訴えをお聞きすることがあります。その場合は、常識的に「痛む部分に問題があり」と考えてしまいがちです。しかしそうではないようなケースをときどき経験します。

 

 1例目は50歳代の男性が、左上腕部が痛む(左肩から肘にかけて)というケースです。そのためにその部分がどのような色に反応があるのか調べてみましたが反応は何もありません。「反応がないので困ったなあ」と思っていると、当院の看護師が「反対側の右腕で反応を調べてみたらどうですか」とアドバイスしてくれましたので、右腕で反応を診ますと、ある色に反応がありました。そこで痛んでいる側と反対側である右腕に反応のあった色のマジックで斜線を描きましたところ、左上腕の痛みは消失しました。「なぜなんだろう」と考えますが、その理屈はさっぱりわかりません。ただ「痛みが消失した」という事実だけが残りました。

 

 2例目は60歳代の女性で、1か月前に足を地面でひっかけて左足首を捻挫して足首に痛みがまだ残っているというケースです。(整形外科で骨折等はないとの診断を受けられていました。)そこで左足首に対して、どのような色に反応があるのかを調べてみますと、ある色に反応がありました。ただその反応は、左足首だけでなくその上方の大腿から下腿の外側に反応があったのです。足を引っかけたことにより、その影響は足首だけでなくその上方まで影響を及ぼしたのだと思います。ですからこのような場合は足首に対してだけではなく、その上方の大腿外側、下腿外側に対しても何らかの加療をした方が回復は早いと考えます。具体的にはこの場合は、左大腿、下腿の外側、足首、足背に反応のあった色のマジックで斜線を引いただけですが。そうしますと階段を降りるときにあった足首の痛みはなくなっていました。

 

 人間の体はどのようになっているのでしょうか。不思議なことが多いですが、良くなられたので、「これで良し」としたいと思います。

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