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加齢黄斑変性症の治療

[2024.10.08]


 「加齢黄斑変性症」という病気をお聞きになられたことがありますか。私は眼科医ではないですが、名前は聞いたことがあり、少しはこの病気について知識もありました。この病気を日本眼科学会のホームページから引用させていただきますと

 

 加齢黄斑変性は、加齢により網膜の中心部である黄斑に障害が生じ、見ようとするところが見えにくくなる病気です。加齢黄斑変性は一般には馴染みの薄い病名かもしれませんが、欧米では成人の失明原因の第1位で珍しくない病気です。日本では比較的少ないと考えられていましたが、人口の高齢化と生活の欧米化により近年著しく増加しており、失明原因の第4位となっています。50歳以上の人の約1%にみられ、高齢になるほど多くみられます。比較的最近まで治療法がなかったのですが、最近いくつかの治療法が新たに開発されて、多くの患者さんで視力の維持や改善が得られるようになってきました。(引用終わり)

 となっています。

 

 そのような中で、当院通院患者さんが「見えるものが歪んで見える、視野の一部が黒くなって見えない」ということで大きな総合病院の眼科を受診され「加齢黄斑変性症」と診断されました。その結果「アイリーアⓇ」という名前のお薬を眼に注射するという治療を一度受けられました。そしてそれを間隔をあけて続けるという予定でした。その時に眼科医から「このお薬を注射しても人によって異なるものの今以上に改善することはあまりなく、良くて現状維持、効果のあまり出ないこともあり」との説明を受けられたそうです。ちなみにこの注射は1本約163000円で極めて高額なお薬と思います。(健康保険の適応になっていますので自己負担額はここまで多くないですが、医療費としては高いと思います)このお薬の発売元であるバイエル薬品のホームページを見てみますと効果の出現具合は下記の図のように説明されています。

         見え方の変化(イメージ図)

                              (バイエル薬品の「アイリーア」のホームページより引用)

 上図を見ますと、治療開始時に少し改善し、その後見え方は発症当時を維持している(見え方の不自由さは残っている?)ように書かれていますがどうなんでしょうか。

 

 この方は一度注射を受けられましたが、その後自覚的には全く変化なし、改善はみられなかったようです。もっとも1度きりですので、結論付けるのには早すぎるかもしれませんが、患者さんは追加の注射を自らお断りされたのでした。

 

 私は眼底を診ることはできませんし、当院に視力や視野を図るような特別な高度検査機器はありません。そのような中で「何とかならないか」と思い、前額部に鍼を打つとともに、耳たぶにマグレインという小さな金属でできた球を貼らせていただきました。なぜこのようなことをしたかといいますと、以前に「なんとなく目の前がかすんで見える」とか、「視野が欠ける」というような方に同じことをさせていただき症状が改善した方がいらっしゃったからです。(その方々は眼科的にはっきりとした病名はつけられていなかったように記憶します) 一方で「たとえ効果がなくても、より悪くなるというようなことはないだろう」と考えたからです。

 

 そうしますと、初めて鍼を打ち、マグレインを耳に貼った途端、「あれ、なんか違うぞ」と言われたのです。その後数回同じことを施行するとともに、日を改めてテラヘルツ波というものを3回眼に当てました結果、視力の改善と視野のなかで黒く見える部分(視野が欠けていた部分)が狭くなったことが簡単な検査ですが判りました。(あくまで患者さんの自覚症状に基づいているだけですが)

 

 具体的には、0.1以下だった視力が0.3まで改善し、視野の中の黒く見えていた部分も無くなり、グレーになり、その範囲も狭くなってきたようです。また直線が歪んで見えていたものがほぼ真っすぐに見えるようになりました。そして「このまま失明するのかな」という心配が薄らいできたとのことです。

     

 

 たった一例の経験で、すべての患者さんに効果あるのかはわかりませんが、この患者さんにとっては福音だと思います。 (私自身も本当に良くなっているのか信じがたいところもあり、よくなっている機序もわからないのですが、なにかの参考にでもなればと考えご報告させていただきました。) また今後眼科で診察していただいて眼底の状況等が判ればご報告させていただくつもりです。

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