動悸が治る?
20歳台の女性のお話です。
「動悸がする」ということで来院されました。ご自身がその時に脈拍を測定すると120回/分ぐらいあったそうで、それが2分ぐらい続くとのことでした。そこで心電図をとりますと脈拍は1分間に100回を少し上回るぐらいで少々脈は速いですが、心電図の波形に異常はありませんでした。(「心電図の波形に異常がない」ということは、心臓の筋肉には大きな異常がないと考えられます) さらに検査を進め、1日中心電図をとり続ける検査(ホルター心電図)を施行しました。結果は確かに脈が100回/分を超えることも1日の中には何回かありましたが、それが動いているときというわけでもなく、その他大きな問題はありませんでした。
患者さんは「動悸がときどきする」といわれるのです。脈拍がじっとしていても100回/分を超えることがあるので「動悸がする」と感じるのは当然かもしれません。が、その原因が私には判りません。
そこで大きな病院の不整脈を専門とする医師に診察していただけるようにお願いしました。そこでは、1週間に渡って心電図をとるような検査や心臓超音波検査などもしていただきましたが、結果は「洞性頻脈」とのことでした。「洞性頻脈」とは走った後や緊張したときなどに脈拍が自然に早くなっている状態をいい、その状況が落ち着けば脈拍も遅くなるものをいいます。だれでもそのような頻脈が認められることがあるので「大きな問題はない」とのご返事でしたが、脈を遅くする貼り薬が処方されました。ところが「これを貼ると気分が悪くなってしまうことがある」と説明を受けたこともあり貼りませんでした。
ご本人は困っておられます。そのために「何かできないか」です。苦し紛れで、彼女の前胸部に対してどのような色、数字に反応があるのかを調べましたところ特定の色、数字に反応がありました。
それに基づき前胸部にその色のライトを当てて、かつ左足の中指に反応のある色のマジックで、反応のあった数字を描いてお帰りいただきました。その後来院されましたところ「1日に感じる動悸の頻度が減り、また動悸を感じている時間も短くなって、ライトを当てたのが効いている気がする」と言われるのです。
まだ完全に動悸がなくなったわけではありませんがとりあえず「(やや)めでたし」で、不思議です。