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肘のしこり、盛り上がり

[2023.10.20]

 肘の部分が盛り上がっていたり、少しプヨプヨしたしこりがある患者さんにときどき出会います。表面がやや赤黒くなっていることが多く、かさぶたのようなもので覆われていることもあります。触ると少し痛みを伴うこともあります。

 

 「何とかしてあげなければ」と考えますが、なぜそのようになったかは私にはわかりません。そのような中で表面の色が赤黒いということで、その部で血のめぐりが悪くなっていると考え(東洋医学ではこういう状態を「血お」といいます)、そこを針で複数個所突いてみました。そうしますとそこから赤黒い血が出て、それを1-2週間おきに施行しますと徐々に盛り上がりが低くなり、かさぶたのように見えるものの範囲も徐々に小さくなり、最後には完全にとれて見た目には何もなかったようになり、長年着ていなかった半そでの服を着ることができたとのことでした。この経験は2年前ぐらいのことです。(写真をとらせていただかなかったので、お見せできるものはありません)

 

 この方の経験から、この方法は安全で有効であると考えていましたところ、また同じように肘のところが盛り上がった患者さんに出会いました。この方はかさぶたのようなものはついていませんが、明らかに左肘だけ盛り上がった部分がありました。詳しくお話をお聞きしますと10年前ぐらいに直径1.5㎝ぐらいの痛みのない低い盛り上がりができて、その部をほじっていたら徐々に大きくなってきて現在のような状態になったとのことでした。痛みは特になかったそうです。

 

 以前の方と同様に盛り上がっている部位を針で刺し、さらにその部を吸引してみました。そうしますと赤黒い血がにじみ出るように出てきました。これを1週間に1回、4週ぐらい続けますとほとんど盛り上がりはなくなり、他方の肘と同じような感じになりました。

 

 

 

 

 

 このような経験から、このような肘の盛り上がり、ときにはかさぶたのようなものがついて硬くなっている原因は「血お」という血の巡りが悪くなり引き起こされた病態と考えます。(「血」とは東洋医学的な表現で、西洋医学的な「血液」とは少し異なります)

 

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